大判例

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東京地方裁判所 昭和39年(ワ)12426号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕被告は前記敷金名義の金一〇万円につき、契約終了の際その二割を控除した残額金八万円の返還を受ければよい旨を約したことはないし、仮にこれを約したとしても、このような約定は敷金の性質上無効とすべきである旨抗争する。<証拠>によれば、被告は本件賃貸借契約を結ぶに当り、契約終了の際には右二割を控除した残額の返還を受ければよい旨を約して本件家屋を賃借した。すなわち、右二割の金員については、互いにこれを敷金名下に一括して授受するが、その二割の金員は敷金とは異なるもので、将来原告が返還すべき金員からは当然に控除され返還することを要しないものとしたことが認められ、右認定に添わない被告本人尋問の結果は措信しえず、他に右認定を左右しうる証拠はない。そうだとすると、原被告双方の合理的意思の点から考えても、便宜敷金名義のもとに一括して取り込まれてはあるが、右はいわゆる権利金とする趣旨であることを了解して、「二割控除返還」という約定のもとにこれで返還することを要しないものとしたものと解するのを相当とする。なお、この点は原告が被告にその営業をなすことを了承し、かつこれがために所要の改造をなすことを許諾していることからも理解しうるところであろうと考えられる。したがつて、これが敷金であることを理由とする被告の主張はその前提を欠くものであつて採用することができない。(中橋正夫)

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